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3D プリンタで空間に分布する物理量を可視化する技術を開発 ~分子の中の電子密度分布を透明樹脂の中に描写~

作者: 下敷領恵美 最終変更 2016年12月20日 18時52分
東京大学物性研究所の山崎らと株式会社クロスアビリティの長代らは、空間に分布する物理量を、3D プリンタで出力可能なドットデータに変換するプログラムを開発しました。このプログラムを用い、コンピュータで計算した分子を構成する原子間の結合を担う電子密度分布のデータを、ドットデータに変換しました。このデータをインクジェット型 3D プリンタに入力することで、透明な樹脂の中に電子雲を描写した分子模型の制作が可能となりました。

 

東京大学物性研究所の山崎淳技術専門職員らと株式会社クロスアビリティの長代新治らは、空間に分布する物理量を、3D プリンタで出力可能なドットデータに
変換するプログラムを
開発しました。このプ ログラムを用い、コンピュータで計算した分子を構成する原子間の結合を担う電子密度分布の データを、ドットデータに
変換しました。このデータをインクジェット型 3D プリンタ(注1) に入力することで、透明な樹脂の中に電子雲を描写した分子模型の制作が可能となりました。
この分子模型により、分子中の電子状態の理解が深まり、電子が関与する新機能分子の開発等 に役立てることが可能となります。さらに、電子雲を含む分子模型を
教育ツールとして利用す ることで、モニタ上だけで表示するのに比べ、物質の構造や機能と電子密度の関連の理解を深めることが可能となります。また、この技術は、
分子以外に雲、銀河、建物や車の周囲の気流 などを描写することも可能であり、幅広い領域での応用が期待されます。

従来、分子模型は原子間結合を棒形状で示すボールスティックタイプが主として用いられて おり、電子密度分布と結合や機能の関係を理解することが困難でした。
尚、11月30日(水)から、株式会社クロスアビリティにおいて、本技術(特許出願済) を適用した分子模型の制作の受注を開始します。

【発表者】
山崎 淳(東京大学物性研究所附属計算物質科学研究センター 技術専門職員)
古宇田 光(東京大学物性研究所附属計算物質科学研究センター 特任研究員)
長代 新治(株式会社クロスアビリティ)
千田 範夫(株式会社クロスアビリティ 取締役)
古賀 良太(株式会社クロスアビリティ 代表取締役)

【発表ポイント】
◆3D プリンタを用い、空間に分布する物理量(例えば密度、温度、電場、磁場、流速、強 度など)を透明樹脂の中に形状制御された微少粒子(ドット)で描写する技術を開発した。
◆透明な樹脂中に電子雲をドットで描写する分子模型の制作が可能なばかりでなく、雲、銀 河、建物や車の周囲の気流などをドットで描写することも可能である。
◆分子中の電子状態の理解が深まり、新機能分子の開発や教育等に役立つことが期待される。

[プレスリリース]
http://www.issp.u-tokyo.ac.jp/issp_wms/DATA/OPTION/release20161130.pdf

 

【問合わせ先】
277-8581 千葉県柏市柏の葉5-1-5
東京大学 物性研究所 計算物質科学研究センター(ISSP-CCMS)
TEL 04(7136)3279 / FAX 04(7136)3441
email adm-office[at]cms-initiative.jp

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